漢方、鍼灸など中国古来より伝わる医学を伝統中国医学、または東洋医学と呼びます。この伝統医学は、中国から韓国・日本に伝播し、それぞれの国で独自の発展をして今に伝わりますが、残念ながら日本の医師のほとんどは伝統医学を行いません。
元々この国の医療は伝統医学だったのですが、江戸末期から西洋医学が日本に伝来し、明治16年内務省令(医術開業試験規則、医師免許規則)により、正規の医学教育から伝統医学は追放され、科学的な西洋医学に取って代わられました。
国家の政策としてこの決断は正しく、現在の医療、公衆衛生を考えれば至極当たり前だったのでしょう。
(よく時代劇に出てくる医師で、将軍付の御典医などは漢方医が多く、市井の医師は鍼灸医として描かれることが多いようです。私は鍼医者と言えば藤枝梅安、池波正太郎の仕掛け人シリーズを思い出します。)
日本の医師国家試験に鍼灸の設問はなく、普通の医師が伝統医学の鍼灸を学ぶ機会は皆無と言っていいほどありません。かくいう私も、鍼はマッサージと一緒に自分が疲れた時に受けることはあるものの、自分自身が鍼を施術するとは夢にも思っていませんでした。
ただし興味は前々からあり、特に一昨年頃から雑誌等で美容鍼灸と言う言葉が散見されるようになり、私の専門の美容医療にも鍼灸が取り入れられるなら、勉強してみたい衝動に駆られだしました。
とは言っても、どこで、誰に鍼を習ったらいいのか、今更、鍼灸学校に入るわけにもいかないし、どれくらいの時間がかかるのか、費用も何も分からない、何より日々忙しいので、自分の時間に合うとは思えない。
そんな時に知ったのが、予防医療臨床研究会の医師専門「実践鍼灸講座」です。
最初はちょっと覗いてみるくらいのつもりだったのですが、どっぷりはまって、この1年間通うことになり、全身の鍼灸治療を学ぶことはもちろん、自分のフィールドの美容に鍼をいかに応用するかを研究するうち、この3月には、講座で美容鍼灸の講師を勤めさせていただきました。
そして、この度、めでたく卒業と相成りました。
恥ずかしながら、免許皆伝です。
今後は、鍼灸を使用した新しい美容メニューを紹介していくつもりです。
ご興味のある方お楽しみに。