「ヒアルロン酸」は一般の方にも良く知られるほど、しわ治療のスタンダードになっています。
ヒアルロン酸やコラーゲンのように皮膚に注入し、皮膚の形状を改善するものを「フィラー(Filler)」と言います。
元々は皮膚を満たすと言う意味からフィラーと命名されたのでしょうが、このフィラーに対する考え方がじょじょに変わってきています。
ヒアルロン酸といえば法令線。
と言うくらい、法令線の溝(みぞ)を盛り上げるために適したフィラーなのですが、溝や凹みを盛り上げるだけではなく、皮膚そのものに対して良い効果、つまり、皮膚のコラーゲンを増やす作用があることが、最近、論文で発表されました。
自分の経験でも、コラーゲンやヒアルロン酸を反復して同じ場所に注入していると、その部分の老化が明らかに遅れます。長年、私の治療を受けていただいている方は、体験としてこの話がすぐ理解できると思います。
(ただし、ただ注入すればよいと言うわけではなく、フィラーの選択、注入方法、注入の間隔などが重要です。)
ヒアルロン酸製品の一大ブランド「レスチレン」の製造会社、Q−MED社は、ヒアルロン酸の美肌効果をいち早く理解し、ヒアルロン酸が皮膚の質を向上する効果に着目した新しいヒアルロン酸製剤「レスチレン・ビタールライト」を発売いたしました。ビタールライトは通常のレスチレンよりも、粒子が細かく、吸収が早いので、溝を持ち上げる効果は劣りますが、この皮膚良くする効果に優れているのです。

主に対象となる場所は、首、デコルテ、手の甲、顔では「目の下」になります。
首やデコルテ、手の甲には、専用の自動注入装置が付いており、正確に1ショット0.01ccの注入が出来るようになっています。多くの注入量を必要とする場所には、医師の労力を軽減し、正確な治療が出来るようになると思います。
ただ、目の周りの注入では、この自動の0.01ccごとの注入では多すぎます。0.01cc以下のより細やかな注入技術が必要になりますので、今までどおりマニュアル注入が良いでしょう。