フラクショナルレーザーの第一号機フラクセルに対抗する機種として、2006年サイノシュア社から発売されたのが、アファームです。話が難しくなるといけないのですが、フラクセルとアファームの波長(レーザービームの種類)の違いを簡単に説明してみます。フラクセルの1550nmの波長はアファームの1440nmの波長に比べ深く皮膚に浸透します。ざっと、フラクセルが1.4mm、アファームが0.3㎜。アファームは、皮膚表面を削る作業に適している反面、深部に及ぼす力が弱いのが弱点です。 2006年11月7日 サイノシュア社にてアファームの体験をさせてもらいました。今だから話せますが、その時の私の評価は×でした。フラクセルに比べて治療感が弱すぎるのです。 強すぎてもリスクが高まりますが、この時点でのアファームは悪名高いノンアブレイティブ・レーザー(高い割には効果がない)のような気がしました。 結局、私は旧型のアファームの購入を見送りました。

↑2006年11月7日旧型アファームの体験
↓2008年6月18日アファームマルチプレックスの体験

時は経って、2008年6月18日 バージョンアップしたアファームマルチプレックス(MPX)の体験をしました。アファームMPXは、旧型の1440nmの波長ともう一つの波長1320nmが連続で照射されるアクロバットなレーザーに生まれ変わりました。1320nmのレーザービームは、フラクセルに劣らない深さに浸透することができます。
アファームMPXは、浅い層と深い層の2段に分けてレーザーを照射する、新しい概念、マルチプレックス・レーザーでもあるのです。
これでアファームはフラクセルの本当の競合機種になりました。
治療感はフラクセルよりもマイルドで、 浅い波長と深い波長のほど良いブレンドでバランスが良いのです。
何より、この時興奮したのは、一つの機械から連続で、全く違う波長のレーザーが出ることです。これは面白い、この技術はもしかして将来もっと色んな波長を連続で出すことが出来るかもしれないと考え、わくわくしました。
サイノシュア社は、1998年私が開業時に購入した最初の脱毛レーザー(LPIR)の開発会社です。今は故人ですが、創業者のFurumotoさんは日系アメリカ人で、色素レーザー(赤あざの治療器)の有名な開発者の一人です。当時何度かお話したことがありますが、社長と言うより技術者というお人柄でした。今でもサイノシュアの気風は、理系で若干融通の利かない技術者肌のような感じがします。まあ、それはそれで良いのです。
アファーム・マルチプレックスは、 三国志で言うと周瑜(しゅうゆ) (レッドクリフでは主人公、トニーレオンです。)
2波長を操るレーザーを文武両道の周瑜にかけたつもりですが、 無理がある?
この三国志たとえは、三国志なんて知らないと言う人にはたいへん不評ですが、
気にせず、フラクショナルレーザーシリーズは、これで行きます。