クロスクリニックにはたくさんのレーザーがあります。
なぜそんなにたくさん必要なのか?
レーザーの種類?について、出来るだけ簡単に説明します。
まず、今回は「レーザーの種類」=「波長」と考えます。(他にも分類があります。)
光は大きく、紫外線、可視光、赤外線、の領域に分類できます。
人間の目で感知できる光、可視光の波長は360〜830nm(ナノメートル)位で、
いわゆる虹色の色は、紫、黄色、赤など人の目が感じる色です。
可視光より短い波長は紫外線、長いと赤外線です。
自然界では、太陽からこれらの光がまとまって降り注いでいるわけですが、
人工的に作られるレーザーは単一の波長です。
たとえば、ルビーレーザーは694nmで、この波長だけの光です。
ルビーレーザーは主にシミの治療に用いられますが、なぜかと言うと、694nmの光がしみのメラニン色素によく吸収され、その他の条件でも効率よくメラニン色素を破壊することができるからです。
シミの治療は、メラニン色素が治療のターゲットになります。
同じように、血管(血液のヘモグロビン)に良く吸収される波長は、色素レーザー585〜595nmで、血管腫や顔の赤みの治療に使用されます。
その他、アレキサンドライト755nm、ヤグ1064・532nmなど、たくさんの種類のレーザーは、それぞれ皮膚に対する反応の違いがあり、多くの用途で使い分けされるのです。
日曜日に新しいレーザーのセミナーに行ってきました。
今回のセミナーは、511と578nmの2種類の波長を発振するレーザーの話でした。
ちなみに色で言うと511は緑色、578は黄色に光ります。511はシミに、578は赤みによく反応します。この2つの波長は、今までにあまり使用されていない波長なので、今までのシミや血管に対するレーザーと少し違う反応をするようです。
私が興味を持ったのは、このレーザーが肝斑に効くかどうかです。
肝斑は、炎症性のシミという特質があり、赤みを持っていることが良くあります。
セミナー講師の韓国のドクターの話では、このレーザーで赤みを治療すれば、かなりの肝斑が薄くなると言う理論でした。
実際そのとおりですが、やはり肝斑がメラニンの異常であると言う点では、
炎症を起こさず最適なメラニン破壊が出来るQスイッチYAGによる
レーザートーニングが上のような気がします。
その先生も、実際の肝斑治療では、レーザートーニングとこのレーザーを併用しているようでした。
理論的には正しいので、改良すれば肝斑に対する新しい治療法として可能性があるかもしれません。
また、欲しいレーザーが出てきました。