ウルセラシステムは、「高密度焦点式超音波」と言うエネルギーにより皮膚の中に熱を発生させます。「焦点式」というところがウルセラのポイントで、焦点には焦点距離があり、その距離が治療の性質を左右します。
誰でも小学生の頃やったと思いますが、太陽光をレンズで焦点に集めて紙を焦がす実験、そう、あれと同じように、ウルセラは超音波を一定の距離で1点に集めて、熱を発生させる仕組みになっています。
この焦点の合う距離が、現在あるウルセラでは3㎜と4.5㎜なのです。(そのうち色々な焦点距離のウルセラが増えてくると思います。)
ウルセラの利点は、レーザーや他の光エネルギー、高周波などと違い、途中のものの影響をほとんど受けずに、その距離に正確に熱を発生します。
頬の皮膚で、深さ3㎜はちょうど真皮の深いところにあたり、4.5㎜はSMAS筋膜にあたります。(たるみ改善熱治療の重要なターゲットです。)
3.0mmの焦点距離のウルセラは、真皮の一番下あたりに
熱を発生します。
4.5㎜の焦点距離のウルセラは、皮下組織のSMAS筋膜に
熱を発生します。
3.0㎜と4.5㎜のウルセラの重ね打ちは、真皮下層と皮下のSMAS筋膜
の2層に同時に熱の引き締めを作ることが出来ます。
お顔のたるみや老化は、皮膚のあらゆる層で起きるので、できるなら、多くの層を同時治療することは、皮膚アンチエイジング治療の理想なのです。現実には難しいこともありますが、ウルセラは、簡単に同時に3.0と4.5の2層治療ができます。前回は表皮・真皮浅層の2層治療ダブルパール(パール+パールフラクショナル)について解説していますので、参照してください。
そういえば先日、ウルセラ+パールフラクショナルの同時照射に挑戦いただいた患者様もいらっしゃいます。(サーマ+フラクセルに近い組み合わせです。)
9月からウルセラの治療メニューを一部改訂いたします。
8月初旬、ウルセラ社のアジア担当責任者のウォルフガング氏(ドイツ人で元サーマクールの開発会社にいた人でした。)、みやた皮フ形成の宮田先生とウルセラの新しい照射方法について話す機会がありました。
当初、ウルセラは頬・コメカミ・目の下・額の照射でスタートしましたが、今回メーカーサイドから、アゴ下の照射と頬・アゴ下の3.0&4.5㎜の重ね打ち照射などの新しいプロトコールが提示されました。
まず、アゴ下の照射は安全性の確認されうる治験結果が得られたことで、治療が許可されました。患者様の中で、あごも打って欲しいと言うご要望が多いなか、しばらくお待ち頂いていましたが、晴れて照射できるようになりました。
また、頬の3.0&4.5㎜の重ね照射は、すでに私は行っていましたので大きな変更点ではないのですが、今までよりも少し照射量が多くなります。額の治療を希望しない方は頬・アゴ下を集中治療します。
ウルセラはまだ日本では始まったばかりの治療ですが、サーマクール、タイタン、リファームなどなど多くの熱治療の中でもユニークで効果的な治療になると確信しています。
最近のマスコミ取材でもかなりの効果が出たので、そろそろウルセラはブレイクするかもしれません。