「脂肪を凍らせて減らす。」
新しいコンセプトの脂肪除去治療「ゼルティック」がついにベールを脱ぎました。前回お話した、美容外科学会の私の発表の次が、ゼルティックのお披露目でした。サーマクールの開発に携わったチームがこの機械に関与している噂は、2年位前からあり、いつ出るのか?と話題先行のマシーンだったのですが、ついに実物を見ることが出来ました。
今までの皮膚の治療器は、レーザーにしろ高周波にしろ、熱あるいは熱ダメージにより皮膚の変化を引き出すものがほとんどでした。
その代表がサーマクールです。
サーマクールは皮膚表面にはダメージを与えず、皮膚の中(真皮層)のみに熱によるコラーゲンの変性や再生を起こします。
サーマクールのサーマ(Therma)は熱、クール(Cool)は冷却を意味しますが、
熱により真皮を熱し、余分な熱で皮膚表面が火傷しないよう表面を冷却する。原理がそのままネーミングされたのがサーマクールです。
数年前から私の自論として学会等で発表しているのですが、サーマクールが他の機械と違っている最大の特徴は、実は熱、では無く、冷却の方なのです。大きな熱を扱うので、安全のためには冷却が必要です。ただし、冷却しすぎても熱の効果を奪うことになるのです。この熱と冷のバランスとタイミングがうまく取れているのがサーマクールの特徴です。冷却システムが優れているからこそ、大きな熱量を扱うことが出来るのです。
主役は「熱」なのですが、脇役の「冷」がいい味出しているので、主役が生きる。映画やドラマといっしょですね。
(ゼルティックの話のはずが、サーマになってしまいました。
自称世界一サーマクールを愛する医者の独り言です。)
さて、ゼルティックですが、サーマクールの開発者たちが関与したと言うことは、サーマクールの冷却装置の開発で得られた知見がこの装置に投入されていることが容易に推測できます。
主役を「熱」から「冷」にした新しい治療器。
「ゼルティック」
実際はどうなのでしょう。
その使用感は、後日報告します。