スレッド・リフトとは特殊加工を施した糸を皮膚の下に挿入し、顔のたるみを改善する治療法のこと。
前回の続きです。
スレッドリフトの分類で、固定しない糸はフローティングタイプ、固定式はアンカータイプまたはサスペンジョンタイプと呼ばれます。
アプトスタイプとも言われるフローティングタイプは、糸表面の突起物(とげやコーン)が糸の中央に向かって対称になっています。通常長さが12㎝程度で、アプトス、ハッピーリフト、ホワイトリフトなどがこのタイプです。糸の突起物が皮下組織にひっかかり、たるみを寄せるような効果があります。その後、糸の周りに異物反応でコラーゲンが形成され、人工的な靭帯のような役割を果たします。非吸収糸であれば、中心部の糸が残りますが、非吸収糸は少しずつ糸そのものが吸収され自分の組織に置き換わります。この吸収の過程で、周囲にもリバイタライジング効果と呼ばれる皮膚の活性化を及ぼす言われています。
私の考えでは、フローティングタイプは、強くたるみを牽引するのではなく、引き締めることを目的に使用することが多く、
スレッド・リフト
というより
スレッド・タイトニング
と言った方が適切だと考えています。
それに対して固定式、
シルエットリフトに代表される糸のタイプは、糸の片側半分に組織を引っ掛ける突起物がついており、もう片側は引っ張って上方に固定するように出来ています。固定は、頭皮を小さく切開し、側頭筋膜に縫いこんで固定することが多いのですが、側頭筋そのものに固定したり、一番しっかりした固定は、直接骨にねじ止めすることもあります。固定式は、たるみを糸で引っ張り上げるのですから、強く引き上げれば引き上げるほど、堅い固定が必要となります。弱い部分に固定しても、ずるずる緩んでしまうからです。
考え方として、固定式のスレッドリフトは、簡易手術と考えることが出来、
非固定式のフローティングタイプは、手術と言うより、サーマクールやウルセラなどの熱タイトニング治療に近い治療と考えることも出来ます。
(次回に続く・・・たぶん組み合わせ治療について)