日本抗加齢医療学会の春の特別セミナーが日曜日にありました。
今回は、札幌医科大学皮膚科 小野一郎先生、東邦大学病理学 赤坂喜清先生
による「FGF注入治療の基礎と臨床」の講義と
FGF研究会の立ち上げを兼ねた会になりました。
ところで、FGFって何?
簡単に言います。
FGFはFibroblastGrowth Factorの略で
線維芽細胞増殖因子のことです。
線維芽細胞は、コラーゲンを産生する細胞です。
FGFを皮膚に注入し、線維芽細胞の働きを刺激し、コラーゲンの産生を促すという
皮膚の若返り治療です。
FGF→(刺激)→線維芽細胞→コラーゲン産生→肌の若返り
実は、すでに広く行われている多血小板血漿注入療法(PRP)がこの一つで、
血小板にはFGFが豊富に含まれているため、自己血の血小板から得られる
FGFやその他の成長因子で皮膚を治療する方法です。
(増殖因子=成長因子です。)
ただし、自己血に含まれる成長因子の量は、個々人でかなり差があったり、
抽出、分離法によっても影響を受けやすいので、FGFを添加し一定の効果を維持しようと言う試みをこの数年我々もやってきました。
今回の小野先生の方法は、FGFだけを皮膚に注入するという方法です。
すばらしい臨床結果を拝見できました。
秋の学会でも引き続き講演をお願いしたいと思います。
今回の講演で一番心に残った、小野先生の一言があります。
「この治療は、アンチエイジングではない、若返り(Rejuvenation)なんだ。」
2つの言葉の意味の違いが、この治療が今後目指すところかもしれません。
数回前のブログで書いた、「本治」になる可能性がある治療です。