Qmed社主催のビジネスセミナーがあり参加してきました。
日本の経済評論家、ヨーロッパ(スウェーデン)、アメリカ、韓国の医師が、それぞれの国のリーマンショック以降の経済状況と美容医療の推移、クリニックの経営状況などについてプレゼンしてくれました。
ヨーロッパは、もうひとつのショック、ギリシャショックがありましたが、経済状況は国によりかなり差があり、スウェーデンはあまり影響を受けなかったそうです。
ショッキングなのはアメリカの状況で、美容医療全体で2008年8%ダウン、2009年3%ダウン、もっともダウン率の高かった脂肪吸引19%ダウンを中心に、外科手術の減少が著しいとのこと、反面、美容皮膚科系の治療は伸びていて、特にボトックスはかなり大きな成長分野になっているそうです。
日本は、それほど深刻ではないとの統計でした。これは、アメリカはすでに美容市場が成熟し伸びしろが少なく、経済ショックが直撃したのに対して、日本は美容医療の市場は、まだまだ成長段階にあるからだそうです。(本当?)
実は日本でも今年、日本最大の美容医療チェーンが倒産するなど、都内では閉院する美容クリニックも多く、決して美容医療を取り巻く経済状況は良くありません。
お隣の韓国はもっと深刻で、すでに美容医療がかなり浸透しているため、もともと競争が激しく、外科系を中心に倒産するクリニックが増えているそうです。そこで、国を挙げて、メディカル・ツアーに力を入れ、美容医療も大きなコンテンツとして活用しているとのこと。円高ウォン安状況でこれまでは日本が大きなターゲットでしたが、今後は中国にシフトしていくのでしょう。アメリカの医師が、今のアメリカは、日本の車に乗り、中国のお金で生活している。と自嘲気味に言っていましたが、日本も同じ様な状況ではないでしょうか。
すでに、日本でも美容医療において、中国の富裕層を取り込む試みが行われています。
私のクリニックでも中国の患者様は数年前から増えており、ビジネスで日本と中国を行き来しながら来院される方もいらっしゃいます。
よく韓国は美容整形が好きなお国がらと言われますが、日本は「手術まではちょっと」と言う方が多いので、むしろ「日本の切らない美容医療」美容皮膚科系のレベルは高いと思っています。
ずばり、他国に行って美容外科手術まで受けようという人はそれほど多くないと思いますが、切らない美容医療ならば、かなりの潜在人口がいるはずです。
日本政府も「切らない美容医療」を観光資源と考えていただければ、景気回復に一役買えそうな気もしますが、いかかでしょうか?