「食べることは、生きること。」
そして、「生きることは、太ることである。」
やはり、ダイエットがひと段落すると、太り始める。
何とか抑えねばと思いつつ、徐々に食べるものも変化してきた。
食べても太らない、魔法の薬はないものか?
・・・ない!!
先日、麻薬所持で捕まった元芸能人の映像を見て驚いたが、薬物依存でかなり憔悴していた。食べること、生きること以上に依存してしまう薬物の恐ろしさを感じる。
魔法どころか悪魔の薬である。
麻薬とは言わないが、ダイエットには危険な薬剤がある。
以前中国製ダイエット薬に含まれて、死者も出て話題になったエフェドリン。漢方のマオウはこれを含んでいる。10年以上前だと思うが、アメリカ製のエフェドラと言うダイエット薬も、名前の通りエフェドリンを含んでおり、良く効いたが、健康被害によりFDAで規制された記憶がある。
エフェドリンの様な交感神経を刺激する薬剤は、脂肪代謝を高めるが、高血圧、不整脈や心停止、中枢神経系の精神症状など起こす可能性が高く、ダイエットに使うには、危険な薬剤である。
真偽のほどは分からないが、この成分を性懲りもなく処方している医師の話が、数ヶ月前の週刊誌に出ていた。
もちろん合法ではあるが、いわゆる食欲抑制剤と言う薬もある。
日本で認可されている「サノレックス」はBMI35以上の極度の肥満に対してのみ保険適応がある。成分はマジンドールで、脳の食欲中枢に作用する。簡単に言うと、食べたいという気持ちを麻痺させるのであるが、やはり副作用がある。病院ではなく、怪しげな健康サロンで、この薬をダイエット用に処方して、逮捕された医師がいたような記憶がある。
アメリカ製の「メリディア」・「リダクティル」成分名シブトラミンも、同様の食欲抑制剤である。
概して食欲抑制剤は、向精神薬や麻薬に似ている成分で、健康に良いわけがない。
以前、自分自身も試した結果、気分の変化、心悸亢進など副作用もあり、効果もさほどなかった。人によっては副作用もなく、効果が出るが、医師として、食欲抑制剤は使用したくない。どうしても試したい人も一時的使用にとどめるべきだ。
一部のダイエット薬は、ネット上で違法な輸入販売も頻繁に行われているし、未だに危険な成分を含む薬剤が存在し、薬剤の横流しなどもあり、なんとなくダークサイドである。
こんな方法でダイエットが成功しても、良いことはまずない。
「体は痩せても、心まで痩せたくはない。」