無事に学会(MBF日本抗加齢美容医療学会)のプレゼンも終わりましたので、ブログを再開します。
フラクショナルレーザーの元祖、本家本元、フラクセルについてです。
フラクセルは2005年世界初のフラクショナルレーザーで、Relient社(現Solta medical)が開発しました。フラクセルの情報は2004年から入っていましたので、日本に導入される際には、是非とも1番に始めたい、というより、一番初めに自分が受けてみたい(笑)と思っていました。
その時の写真が残っていました。


2005年3月14日です。たぶん、日本国内で日本人がフラクセルを初めて受けた日です。
当時のフラクセルは、顔に青い色素を塗る方式のレーザーでした。まるでブルーマン!(現行のフラクセルⅡは必要ありませんのでご安心を!)1時間ほどクリーム麻酔をした後、冷風を当てながら行いましたが、フラクセルの刺激は、「ジリジリジリ」と熱した剣山を押し当てられている感じです。終了後も「ジンジン」と顔が拍動し、顔にも心臓があるような感じです。
そんなジンジンする中、「先生、どうですか?このレーザー、いけますか?」と代理店JMECの方々と談笑、その場で契約書にサインしました。もちろん「いける!」と思ったからです。実際には、2004年から情報を掻き集め、理論的なことはすでに論文も読んで理解していたので、この時は、「体で理解できるか」どうかだけだったのです。
私は、フラクセルのような新しい機器を判断するときに、頭と体の両方での理解を重視しています。
レーザーの世界では、理論が素晴らしく、頭で理解させられて、これはすごい!というものでも、絵にかいたモチ、机上の空論が結構あります。今でも、過去にも、ここに書けないようなボツ機械の体験は多々あります。
帰りのタクシーの中で、青い色素の残るジンジン顔で、これは治療後そのままではいけないな。アフターケアをどうしよう?などなど考えながら帰ったのを覚えています。
フラクセルは、翌2006年フラクセルⅡにバージョンアップ、青い色素も必要なくなり、インテリジェントなフラクショナルレーザーに生まれ変わりました。
そう、三国志で言えば、諸葛亮孔明(レッドクリフの金城武さん、かっこよかった!)
フラクセルのレーザービームは、それぞれのビームの強さで設定が最良になるように工夫されています。
ちょっと難しいかもしれませんが、我慢してください。レーザービームの性質は、たとえば、強さ、ビームの種類や形、照射する時間、などの要素で決まります。この様な要素をパラメーターと言い、パラメーターをコントロールするのが機械と医師の役目です。
フラクセルはかなり賢い機械で、医師がパラメーターを決定する上で、機械の中に優秀な軍師がいるようなイメージです。医師が劉備玄徳でいいのです。なんとなく解りますか?
フラクセルの開発会社は、現在、3つのフラクセルを発売しています。
Fraxel re:fine,Fraxel re:store,Fraxel re:pairの3機種です。それぞれのレーザービームの波長は、1410nm(ナノメーター)1550nm,10600nm,真中の1550が日本でいうフラクセルⅡです。
現在、世界的に多くのレーザー会社がこぞって、この3種類の波長でフラクショナルレーザーを開発しています。
まさしく群雄割拠状態!実はエコ2は10600の一機種、アファームは1440で1410の対抗機種です。
三国志ファンにはもう分かりますよね。
「天下三分の計」でしょ?